<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 新樂府 上陽白髮人	愍怨曠也>
<Format: 格式不明>
<Year: 2011>
<BookName: 白楽天詩選（上）>
<Translator: 川合康三>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 上陽（じょうよう）白髪（はくはつ）の人（ひと） 怨曠（えんこう）を愍（あわれ）むなり>
<BookPage: 126>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
上陽人，
紅顏闇老白髮新。
綠衣監使守宮門，
一閉上陽多少春。
玄宗末歲初選入，
入時十六今六十。
同時采擇百餘人，
零落年深殘此身。
憶昔吞悲別親族，
扶入車中不教哭。
皆云入內便承恩，
臉似芙蓉胸似玉。
未容君王得見面，
已被楊妃遙側目。
妬令潛配上陽宮，
一生遂向空房宿。
宿空房，
秋夜長，
夜長無寐天不明。
耿耿殘燈背壁影，
蕭蕭暗雨打窗聲。
春日遲，
日遲獨坐天難暮。
宮鶯百囀愁厭聞，
梁燕雙栖老休妬。
鶯歸燕去長悄然，
春往秋來不記年。
唯向深宮望明月，
東西四五百迴圓。
今日宮中年最老，
大家遙賜尚書號。
小頭鞋履窄衣裳，
青黛點眉眉細長。
外人不見見應笑，
天寶末年時世妝。
上陽人，
苦最多，
少亦苦，
老亦苦，
少苦老苦兩如何？君不見昔時呂向美人賦，
又不見今日上陽白髮歌。
<End Poem>
<Translation>
上陽の人、紅い頰もやつれ白髪だけが新しい。
 「緑衣の監守が宮門を見張っています。上陽宮に閉じ込められて、どれだけの春が過ぎ去ったことでしょう。
玄宗の御世の末に選ばれて、宮中に入った時、歳は十六、今は六十。
同じ時に選び取られた者は百人を越えました。うらぶれて年が過ぎ、なんとかのこったこの身。
思い起こせば哀しみを抑えて身内に別れ、支えられながら車に入っても、声をあげて泣くこともままなりませんでした。
口々に言われました、宮廷に入れば天子の寵を受けられると。かんばせは蓮の花のごとく胸は玉のように輝いていたその頃。
天子へのお目通りもかなわぬうちに、もう遠くから楊貴妃ににらまれてしまいました。
ねたまれてひそかに上陽宮に移され、一生そのまま人気のない部屋に住むことになったのです。
秋の夜は長い。長い夜に寝付くこともできず、夜は明けません。 ちらちらと揺れる灯火の、壁に映る火影。蕭々と降る暗い雨、窓を打つ雨音。
春の日あしは遅い。遅い日あしにぽつねんと坐って、空はなかなか暮れません。
宮廷の鶯がさえずり続け、悲しくて聞くのもいとわしい。梁のうえに住ま 燕、老いたこの身が妬いたりはいたしません。
鶯が山に帰り燕も飛び去り、あとはずっとひっそりしています。春が去り秋が来て、何年過ぎたのかもわかりません。
ただ深い宮殿から明月を眺めるうちに、月は東から西へ、四百回も五百回もまどかになりました。
今、宮中で一番の年かさとなり、遥かな天子さまから尚書の称号を賜りました。
先のとがった靴、体をぴったりつつむ衣服。眉ずみで細く長く描いた眉。
外の人がこの姿を見るはずもありませんが、見たらきっとお笑いになることでしょう。
これは天宝の終わりの頃にはやった装いなのです」。
上陽の人は、苦しいことばかり。
若い時も苦しく、老いても苦しい。
若い時の苦しさ、老いての苦しさ、どちらもいかほど辛いことか。 どうかご覧あれ、昔、呂向が書いた「美人の賦」を。
<End Translation>
<Formatted Translation>
上陽の人、
紅い頰もやつれ白髪だけが新しい。
 「緑衣の監守が宮門を見張っています。
上陽宮に閉じ込められて、どれだけの春が過ぎ去ったことでしょう。
玄宗の御世の末に選ばれて、
宮中に入った時、歳は十六、今は六十。
同じ時に選び取られた者は百人を越えました。
うらぶれて年が過ぎ、なんとかのこったこの身。
思い起こせば哀しみを抑えて身内に別れ、
支えられながら車に入っても、声をあげて泣くこともままなりませんでした。
口々に言われました、宮廷に入れば天子の寵を受けられると。
かんばせは蓮の花のごとく胸は玉のように輝いていたその頃。
天子へのお目通りもかなわぬうちに、
もう遠くから楊貴妃ににらまれてしまいました。
ねたまれてひそかに上陽宮に移され、
一生そのまま人気のない部屋に住むことになったのです。
秋の夜は長い。
長い夜に寝付くこともできず、夜は明けません。 
ちらちらと揺れる灯火の、壁に映る火影。
蕭々と降る暗い雨、窓を打つ雨音。
春の日あしは遅い。
遅い日あしにぽつねんと坐って、空はなかなか暮れません。
宮廷の鶯がさえずり続け、悲しくて聞くのもいとわしい。
梁のうえに住ま 燕、老いたこの身が妬いたりはいたしません。
鶯が山に帰り燕も飛び去り、あとはずっとひっそりしています。春が去り秋が来て、何年過ぎたのかもわかりません。
ただ深い宮殿から明月を眺めるうちに、
月は東から西へ、四百回も五百回もまどかになりました。
今、宮中で一番の年かさとなり、遥かな天子さまから尚書の称号を賜りました。
先のとがった靴、体をぴったりつつむ衣服。
眉ずみで細く長く描いた眉。
外の人がこの姿を見るはずもありませんが、見たらきっとお笑いになることでしょう。
これは天宝の終わりの頃にはやった装いなのです」。
上陽の人は、
苦しいことばかり。
若い時も苦しく、
老いても苦しい。若い時の苦しさ、
老いての苦しさ、どちらもいかほど辛いことか。
 どうかご覧あれ、昔、呂向が書いた「美人の賦」を。
<End Formatted Translation>